お知らせ 健康コラム
Vol.12 熱中症対策に超簡単! マイボトルに「酵素水」

 2023年5~9月の熱中症の救急搬送人数は9万1,467人で、前年同期に比べて約2万人増えました。今年は梅雨明け以降、記録的猛暑と予想されていますので、最大限の注意が必要です。熱中症対策では水分と塩分をしっかり補給することが重要です。水に大高酵素飲料と塩分を加えた「酵素水」を利用すれば夏バテ防止の効果も期待できます。

■高齢者や巣ごもりの方は要注意
 新型コロナウイルスの出現は、私たちの生活様式を大きく変えるきっかけとなりました。特にマスクの着用は、温度の上がり過ぎや多湿などにより、熱中症の発症リスクを高める要因となります。特に脳の温度の上昇を察知する身体感覚が低下している高齢者や屋外でスポーツ観戦される方、重労働の方、外出を控えて家にいる時間が増えている“巣ごもり”傾向の方などは要注意です。
 熱中症の症状としては、 めまい、失神、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、 強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直、 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、痙攣、せん妄、小脳失調、高体温などが挙げられます。
 人間の身体は、平常時には体温が上がっても、汗や皮膚温度が上昇することで熱が外へ逃げる仕組みとなっており、体温調節が自然と行われています。しかし体温の上昇と調整機能のバランスが崩れると、身体に熱がどんどんたまってしまいます。このような状態が熱中症です。
 暑い環境に長時間さらされたり、炎天下で運動をして、塩分を含む水分を補給しないまま長時間にわたって大量の汗をかいてしまうと、皮膚面から皮下組織が乾燥しきってしまいます。大量の汗をかいてしまうと、体内の塩分も同時に放出されてしまいます。その際、水分のみを補給すると、血中のナトリウム濃度が下がります。すると体が元のナトリウム濃度に戻そうとして水分を体外に出そうとします。この状態が続くと脱水症状や熱中症になります。
 皮膚面が一度乾燥しきってしまうと、水分を補給しても皮膚面にはすぐに補給されません。ナトリウム濃度を上げ、浸透性と浸透圧を正常に戻すことが必要なのです。

■酵素水で水分・塩分・糖質を補給
 こうした熱中症対策には大高酵素飲料を利用した「酵素水」がお勧めです。作り方はとても簡単です。基本レシピは500㎖入りのペットボトルや水筒に大高酵素飲料50㎖、水450㎖を入れ、天然塩(粗塩)を一つまみ(1g弱)加えるだけです。大高酵素飲料をもう少し増やしてお飲みになりたい場合は水を減らしてください。一般社団法人全国清涼飲料水工業会が策定した「熱中症対策」表示ガイドラインでは、「熱中症対策」と表示できる飲料の範囲として、食塩相当量として飲料100㎖当たり0.1~0.2gとしています。天然塩(粗塩)一つまみは1g弱ですので、酵素水のレシピはこの基準に準拠したものとなっています。
 大高酵素飲料には、熱中症対策に必要とされるブドウ糖、果糖、オリゴ糖などの糖質が含まれています。実は熱中症対策には水分や塩分だけではなく、糖質も必要です。
 酵素水はのどの渇きを感じる前に、少量ずつこまめにとることが大切です。大高酵素飲料は消化済みの食べ物として、夏バテや体力が弱った方でもスムーズに栄養補給ができ、体力や活力のもととなります。オリゴ糖や発酵由来の代謝産物と同時に水分と塩分も補給できます。大高酵素飲料に含まれる酢酸などの短鎖脂肪酸には、水分や塩分の吸収を促進する働きもあります。
 塩分量については、発汗量は個人差が大きく、また体調や気候条件によって発汗量も異なりますので、画一的な設定はできませんが、注意しなければならないのは、塩分のとり過ぎです。
 多量の汗をかかない日は食事で塩分をとっていれば、意識して塩分補給をする必要はありません。健康増進法に基づき、厚生労働大臣が定める食事摂取の基準である『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、塩分の摂取目標量はこれまでの成人男性9.0g未満、女性7.5g未満から、男性7.5g未満、女性6.5g未満と減塩目標がより厳格化されました。特に塩分制限の必要な方は主治医の指示を守ることが大切です。
 市販のスポーツ飲料も熱中症対策として利用できますが、アスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料を使用しているものが多く、とり過ぎると糖尿病や肥満、下痢などのリスクが高まりますので注意が必要です。

■水分補給はこまめに塩分のとり過ぎには注意
 熱中症対策については、国やスポーツ関連の団体でもガイドラインを策定しています。
 公益財団法人日本スポーツ協会が発行する『熱中症予防ガイドブック』では、運動中の熱中症対策として0.1~0.2%の塩分と糖質を含んだ飲料を推奨しています。また1時間以上運動する時は、エネルギーの補給を考慮すると、4~8%の糖質を含んだ飲料を20~30分ごとにカップ1~2杯程度を摂取することが望ましいとしています。
 環境省の『熱中症環境保健マニュアル』でも、大量の発汗がある場合、塩分濃度0.1~0.2%程度の水分補給が勧められています。大高酵素飲料を利用した酵素水の糖質と塩分の濃度は、このガイドラインに沿ったものとなっています。
 厚生労働省では、熱中症対策として、室内でも外出時でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分と塩分、経口補水液などを補給するよう勧めています。経口補水液とは食塩とブドウ糖を水に溶かした飲料のことです。
 水分が腸管から吸収されたり、尿細管から再吸収されるには、ナトリウムやブドウ糖が必要になります。ブドウ糖をとると、「Na糖共輸送担体」と呼ばれるポンプ機能のあるタンパクにより、ナトリウムとブドウ糖とともに、水分も細胞内に吸収されます。このため経口補水液は急激な発汗によって脱水症状など熱中症が疑われた時に適した飲料として推奨されています。酵素水も経口補水液のように、ブドウ糖、塩分、水分を補給できる飲料として利用できます。 
 この暑い夏は酵素水で乗り切りましょう。
「健康の輪」No.36より一部抜粋・修正

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