お知らせ 健康コラム
「おなか元気」で「骨まで元気」、腸内細菌が骨を健康に導く

最近の研究によると、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸という物質が骨の形成にかかわっていることが判明。さらに腸内細菌が作り出すビタミンK2は骨代謝のバランスの調節にかかわっており、食生活の乱れや腸内環境などの悪化により、ビタミンK欠乏症を引き起こす可能性があることがわかっています。ここでは、腸内細菌と骨の健康との関係についてご紹介いたします。

■骨代謝に関与するビタミンや女性ホルモンに腸内細菌が機能
 骨の組織は、「骨芽細胞」「破骨細胞」「骨細胞」で形成されており、体の細胞と同じように常に新陳代謝を繰り返しています。 この繰り返しはリモデリングと呼ばれています。
 骨を鉄筋コンクリートの建物に例えると、鉄筋がコラーゲンで、コンクリートにあたるのがカルシウムです。頑丈な骨を作るには、鉄筋(コラーゲン)とコンクリート(カルシウム)の両方を強化する必要があります。骨は骨芽細胞によって作られます。 骨芽細胞はコラーゲンを作り出し、コラーゲンの周りにカルシウムが付着すると、骨細胞となります。骨はカルシウムとコラーゲンがほぼ50%の比率で構成されています。
 一方、できた骨は破骨細胞が溶かしていきます。古くなったコラーゲンやカルシウムなど骨の成分を破骨細胞が酸や酵素などで壊してなくし、壊れた部分に骨芽細胞が新しく骨を作ります。成人では3~5年の歳月をかけて緩やかに全身の骨が入れ替わるといわれています。
 健康な骨では、骨の破壊と形成がバランスよく繰り返されていますが、加齢にともない、骨代謝の機能のうち、新しい骨を作り出す骨芽細胞の働きが低下すると、骨密度が低下するだけでなく、胃腸での消化力も低下し、カルシウムなどの栄養成分を取り込む量が減ることから、骨粗しょう症を引き起こしやすくなります。国内の骨粗しょう症患者は約1,300万人と推定されています。特に女性は男性の3倍近い罹患率があります。
 個人差はありますが、「骨強度」の増加や維持のもととなる「骨密度」は、20歳前後をピークに少しずつ減少していくため、20歳までにしっかり骨量を増やし、20歳以降にどれだけ骨量の減少を緩やかにするかが、骨粗しょう症予防のポイントとなります。若い女性の過度なダイエットや食生活の乱れは、更年期以降に骨粗しょう症の発症リスクを高めますので、注意が必要です。
 骨強度は「骨密度」と「骨質」を合わせたものです。骨密度が十分であるにもかかわらず、骨折するケースもあります。このため骨折を予防するためには骨密度だけでなく骨質もしっかりチェックすることが大切です。
 女性ホルモンには、骨を壊し過ぎたり、壊す量が不足しないようにコントロールする働きがありますが、閉経後に女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が大幅に減少すると、破骨細胞によって骨を壊すスピードが速まり、骨密度が低下することが知られています。女性が男性に比べて骨粗しょう症の罹患率が高いのはこのためです。
 腸内環境のバランスが乱れると、体内のエストロゲン量にも影響を及ぼします。腸内細菌が、エストロゲンを活性化させるベータグルクロニダーゼという酵素を生成することがわかっていますので、エストロゲンに対する腸内細菌の働きは、閉経後や更年期以降の症状をやわらげる意味からも重要な要素となっています。
 一般的に、閉経や加齢による骨密度の低下を抑えるためには、カルシウムやビタミンK2を摂取することが推奨されています。カルシウムは腸内での吸収が悪く、牛乳は約40%、小魚33%、野菜類は約20%しか吸収されません。カルシウムの吸収を高めるには、ビタミンDから作られる活性型ビタミンDというホルモンが必要になります。しかしこの活性型ビタミンDを作り出す機能は加齢とともに低下することがわかっています。
 一方、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸の量が増えると、腸内の㏗が酸性に傾き、カルシウムなどのミネラルの吸収率が高まることが確認されています。こうした点からも骨のケアには日頃から腸内環境を整えることが求められます。
 ビタミンKは骨芽細胞や破骨細胞に働きかけて骨形成を促進したり、骨吸収を抑制することが報告されており、骨代謝バランスの調節に役立っているものと考えられています。さらにビタミンKはコラーゲンの生成を助ける働きがあることも明らかとなっており、更年期の女性や高齢者の骨粗しょう症予防に有効な成分として近年注目されています。

■日頃から腸活を心がけ、骨を丈夫に保とう
 ビタミンKは植物によって作られるビタミンK1と、微生物によって作られるビタミンK2の2種類があります。ビタミンK1は緑色野菜や大豆加工食品に多く含有。ビタミンK2は納豆に豊富に含まれています。また私たちの腸にすみ付く腸内細菌が、食物繊維やオリゴ糖などを原料に発酵の力でビタミンK2を多く作り出していることもわかっています。
 これまでビタミンKは食品中からとり、腸内細菌によっても作られるので、不足することはないといわれていましたが、食生活の乱れや偏食、野菜嫌い、薬の乱用、腸内細菌のバランスの乱れなどによるビタミンK欠乏症も危惧されるようになっています。
 これまでご紹介したように、エストロゲンに対する腸内細菌の働きや体内で腸内細菌がビタミンKを合成する機能を維持するためには、腸内環境のバランスを整えることが骨の健康には欠かせない要素であることがおわかりいただけたのではないかと思います。

「健康の輪」No.49より一部抜粋

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