- お知らせ 健康コラム
- 腸活・温活生活で自律神経をととのえる
秋から冬にかけて自律神経のバランスが崩れ、体調不調を訴える人が増えています。自律神経の乱れは免疫力の低下を引き起こし、感染症のリスクも高まります。過度なストレスが続いたり、生活リズムや食生活が乱れている方は要注意です。自律神経のバランスを整えるための土台となるのは腸内環境です。
■腸内細菌は自律神経や脳と密接にかかわっている
冬は、外気と室内の温度差や日照時間の短縮、生活リズムの変化などが影響し、自律神経が乱れやすくなる季節です。自律神経が乱れると疲労感や睡眠障害、うつ、肩こり、便秘・下痢など体調やメンタルに影響を及ぼすことが知られています。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。緊張・興奮状態のときに働くのが「交感神経」、夜間やリラックスしているときに働くのが「副交感神経」です。そのバランスが乱れ、どちらか一方が優位な状態が続くと、体調を崩し、免疫力も低下してしまいます。昼夜逆転など不規則な生活は、自律神経のバランスを崩す大きな要因となります。
交感神経は昼間や活発に活動する時間帯によく働き、心臓の働きや血流が良くなるため、血圧や体温が上昇します。一方、副交感神経は血圧や体温を下げ、睡眠や休息によって疲労回復させてくれます。免疫力との関係では、交感神経が優位なときは好中球が増え、副交感神経が優位なときはNK細胞が増加するなどの変化がみられます。ストレスがかかると交感神経が優位となり、免疫細胞であるリンパ球が減少し、免疫細胞の働きが悪くなることがわかっています。
自律神経と腸内環境は密接な関係にあります。腸は「第二の脳」と呼ばれ、体と心の健康に大きな影響を及ぼすことが知られています。不安、焦り、プレッシャーなどのストレスがかかると自律神経を通じてすぐに腸に伝わり、便秘や下痢などを引き起こします。また逆に、腸の働きが悪くなると自律神経を介して脳にストレスを与えるといった悪循環に陥ります。
腸内細菌は食べ物の消化・吸収を助けるだけでなく、免疫機能やセロトニンなどの神経伝達物質の生成にも関与しています。交感神経が過剰に働き、優位な状態が続くと、腸の動きが鈍化し便秘になったり、逆に活発になりすぎて下痢になることがあります。腸内環境が乱れると、心身をリラックスさせる副交感神経の働きが低下し、全身のストレス耐性が低くなる可能性も指摘されています。
自律神経のバランスを整える方法は、①規則正しい生活②ウォーキングやヨガなど適度な運動③腸内環境を意識した食改善④良質な睡眠⑤毎日の入浴など、生活習慣を見直すことが重要となります。
腸内環境の改善は、自律神経のバランスを整えるうえで大事なポイントとなります。日頃から発酵食品を積極的に取り入れたり、食物繊維とオリゴ糖を多く含む食材を食べるなど食生活を見直すことが大切です。
また〝温活〟は副交感神経を優位にし、冷え改善やストレス緩和にもつながります。入浴はシャワーで軽く済ませるのではなく、お好みの入浴剤を使って、湯船につかるよう心がけてください。就寝前に入浴すれば深部体温が下がりやすくなり、質の高い睡眠を得ることができます。
「健康の輪」No.54より一部抜粋