- お知らせ 健康コラム
- Vol.19 健康寿命の分かれ道は腸活と腎臓のケア
腎臓の健康は寿命に直結するといわれています。腎臓は体の老廃物を取り除く重要な臓器ですが、加齢、食生活の乱れ、腸内環境の悪化などが主な原因となり機能低下します。慢性腎臓病や日常生活に制限が生じる人工透析を防ぐためにも、今日から腎臓のケアと腸活に取り組んでみませんか。
■リンの取りすぎに注意、食改善で腎機能改善へ
腎臓の機能は一度失われると、回復できない場合が多いとされ、腎臓の機能の異常が3ヵ月以上続いている状態を慢性腎臓病と呼びます。国内の慢性腎臓病患者数は1300万人と推計され、人工透析を定期的に行っている透析患者数は約35万人に上ります。人工透析にかかる1人当たりの医療費は年間約470万円と高額ですが、金額以上に見逃すことができないのは、人工透析は週2~3日ペースで受けなければならず、1回の治療に要する時間も4~5時間かかるため、日常生活が大きく制限されてしまう点です。
腎臓の主な役割は血液を絶え間なくろ過して、老廃物を尿として体外に排出することです。このほか、体内の水分量や血圧の調整、ミネラルバランスの維持、血液を作るホルモンの分泌、骨を健康に保つなど多くの重要な働きを担っています。
また近年の研究で、腎機能と寿命は密接にかかわっていることがわかってきました。慶応大学の研究グループらは、リンを正常に代謝できないマウスに動脈硬化や骨粗しょう症などさまざまな老化状態が現れ、短命になることを明らかにしました。
リンを多く含む食品は加工肉、カップ麺、ファストフード、スナック菓子などです。食事でとったリンは腎臓でろ過され、尿として排せつされますが、腎機能が低下するとこの機能も低下し、血液中にリンが蓄積します。
老廃物を含んだ汚れた血液をろ過し、きれいにしているのは「ネフロン」と呼ばれる構造物です。ネフロンは加齢とともに減っていきますが、日頃からリンをたくさん処理し続けると、ネフロンの減少を加速させてしまうので注意が必要です。
また腎機能と腸内環境に関する研究も国内外で進められており、腸内細菌によってつくられるD-アミノ酸が、腎臓を保護する働きをしていることが報告されています。さらに慢性腎臓病には腸内環境が関わっており、腸管が腎臓と相互に関与しあう「腸腎連関」があることも明らかになりつつあります。海外では、便秘のある人は便秘のない人に比べ、腎機能が低下する速度が速まることが報告されています。
腎臓の機能は尿検査や血液検査で簡単に調べることができます。健康診断を実施して、自覚症状がほとんどない軽度の段階で腎臓の機能低下を指摘された場合、まずは食生活や生活習慣を見直すことが求められます。例えば、毎日の食事で塩分やタンパク質の摂取量を気を付けるだけでも、腎機能の回復には有効とされています。
大高酵素飲料は「高カロリー」、「低タンパク」でリンも気にせずに飲用できる食べ物です。腎臓に負担をかけず、腸まで届く糖質も含まれています。また酵素ファスティングで酷使している腎臓を休ませることも、腎臓の健康維持の観点から有効な方法と考えられます。
「健康の輪」第50号より一部抜粋・修正